ホテルマーケティングにおいて非常に重要なのが、「閑散期をいかにして乗り切るか」です。
ゴールデンウィークやお正月はホテルの繁忙期。繁忙期の直後に閑散期が訪れるのは世の常です。稼働率は一気に下がり、収益を保つのは当然難しくなりますね。
あなたのホテルでは、閑散期にどのような施策を行っていますか?今回の記事では、ホテルが閑散期を乗り切るために有効な、3つのマーケティング施策について解説していきます。
低い稼働率をただ見ていても何も変わりません。閑散期にこそやるべきことを理解し、あなたのホテルをさらなる成功へと導きましょう。
閑散期は戦略見直しのベストタイミング
閑散期にこそ、じっくりと戦略の見直しをすることができます。時間的に余裕のない繁忙期には、時間と労力をかけて戦略を練ることは現実的にほぼ不可能。閑散期だからこそできることは、思っている以上に多いです。
- オペレーションの見直し
- スタッフの教育
- Webサイトの改訂
- 新規顧客開拓
- ロイヤリティプログラムの作成
- 価格の見直し
例えば、上記に挙げたことは、繁忙期でなく閑散期にこそ落ち着いて着実にこなすことのできる業務の良い例ですね。
他にも、閑散期だからこそ、丁寧にひとつひとつのレビューをチェックし、口コミに返信するなどの作業も行うことができます。
閑散期こそデータベースを細かに分析するチャンス
閑散期には、繁忙期の間に溜め込んだ膨大な量のデータをじっくり分析することが何よりも重要。これをやらずしてマーケティング戦略は見えてきません。
ここで言うデータの代表的なものが「顧客データ」です。
- 宿泊人数
- 宿泊日数
- 旅行目的
- 居住地
- 性別
上記のような顧客の基本属性はもちろん、それぞれの顧客のレビューやリクエスト内容、さらに会話内容などの全てが顧客に関わるデータです。
なぜ顧客データを分析する必要があるのでしょう。
それは「既存顧客の傾向」を知ることでリピーターの獲得方法や、ロイヤリティプログラムに必要な要素を知る手がかりになるからです。
WASIMILでデータベースの情報を洗い出す
膨大なデータの中には、古いデータやデータの重複などがある場合も多いでしょう。重要なのは、データベースを綺麗にかつ最新の状態に整理しておくことです。
無効なメールアドレスにキャンペーンメールを送ってもコストがかかるだけで効果は得られませんし、重複して登録されていると2回もメールを送ることになりゲストに迷惑をかけるリスクもあります。
WASIMILには、データベースの情報を洗い出すのに非常に有効な 機能が備わっています。
- データベース健全性チェック
この機能を使えば、送信したメールがどのくらい届いたのか(Eメール到達数を知ることができます。また、有効なメールアドレスがどのくらいあるか、データの男女比や年齢の割合などもわかります。有効なデータのみを活用することで、効率的なマーケティング戦略を打ち出すことができます。
- データエンリッチメント機能
この機能を使えば、重複するデータを人工知能(AI)が自動で指摘し、統合することができます。入力フォーマットが少し異なるだけで、データが重複して登録されてしまうことは 多々あります。定期的に確認すると良いでしょう。
閑散期を乗り切るための施策を考えるにあたり、健全性の高いデータを使用することは必要不可欠。WASIMILの機能を活用し、まずはデータの洗い出しを行いましょう。
※ホテルのデータクレンジングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
施策①オンラインコンテンツを充実させる
ここからは、閑散期対策として行うべき3つの施策を紹介していきます。まず1つ目に紹介するのは、「オンラインコンテンツを充実させる」ことです。
繁忙期にハイクオリティのコンテンツ作成にじっくり時間を割くことは現実的ではありません。コンテンツ作成は、繁忙期にまとめて作成しておくのがおすすめです。
閑散期は、ホテルの魅力をSNSやWebサイト上で発信していくのに最適なタイミング。この機会を逃さず効果的なプロモーションができていなければなりません。
時間的に余裕のある閑散期に、今一度あなたのホテルの魅力や他にはない強みに目を向けてみてください。そして、オンラインコンテンツにその要素を盛り込んでいくのです。
一般的に、ホテルにおける閑散期は「人々が旅行にいく機会がかなり少ない時期」ですから、この期間に旅行の魅力やホテルステイの素晴らしさを忘れ去られることのないようにしておく必要があります。
そのためにも、SNSやWebサイトの更新を頻繁に行い、アクティブな状態でいることがとても重要。そうすることで、より顧客の目に触れ、「ああ、そういえばまた今度旅行にでも出かけたいな」という気持ちを奮い立たせることができるのです。
オンラインコンテンツの発信は、「閑散期でも常に顧客のことを想っている」ことのアピールにもつながります。
施策②ローカル向けの広告やキャンペーンを打ち出す
全国各地、または世界中からの顧客がホテルにやってくる繁忙期。ですが、長期休暇が取りづらい閑散期はそうはいきませんよね。となると、閑散期にキャンペーンを打ち出しても意味がないのかと言われれば、決してそうではありません。
閑散期に注目すべきはローカルな人々です。ここで言う「ローカル」とは、同じ市町村にお住いの方や、周辺、近隣の都道府県の人々のこと。
比較的近いエリアの顧客にターゲットを絞り、キャンペーンを打ち出すのは、閑散期に有効なマーケティング戦略です。
ローカル顧客は、移動に時間や費用をあまりかけずにホテルを利用できるため、たとえ閑散期であっても、十分呼び込むことのできる可能性が高い顧客層。
特に、直近の日程の空室を埋めたい場合には、ローカル顧客に向けたプロモーションが効果的。「すぐ近くのホテルで、特別な週末が過ごせるお手軽感」など、売り方は何通りもあります。閑散期の稼働率UPのために、ローカル顧客を味方に付けましょう。
施策③Eメールマーケティングを実施する
SNSやLINEなどのメッセージアプリによるアプローチが主流となりつつある昨今ではありますが、直接ダイレクトに届くEメールマーケティングも高い効果が見込めます。
令和元年の総務省の調査結果によると、インターネットの利用項目では、全世代平均でEメールがSNSやWebサイトを押さえて1位(30.8%)となっています。
さらに、世代別では10代20代をのぞく全ての世代でメール利用が1位という結果。こうなると、Eメールは決してあなどれないことが分かりますね。
そして、Eメールマーケティングの強みは、低コストであること、さらに効果を簡単に測定することが可能な点にあります。
Eメールマーケティングを行うにあたり必要なのは、顧客のメールアドレス。つまり、これまでに何らかのキャンペーンでメールアドレスを登録してくれた顧客、もしくはホテルに宿泊したことのある顧客が対象となるのが、Eメールマーケティングなのです。
顧客のメールアドレスは「メールリスト」と呼ばれています。今までに蓄積された顧客のメールリストを活用し、Eメールマーケティングを行いましょう。
WASIMILを使ってセグメントされたメールマーケティングを実践
ここで、WASIMILのメールマーケティング機能の紹介です。WASIMILを使用することで、さらに効果的で精密なEメールマーケティングが可能になります。
例として、ここでは、「宿泊日が2週間後に迫った空室をプロモーションする」場合で説明しましょう。
STEP①ローカル顧客の分析(居住地)
日程が迫っているとなれば、ターゲットとなるのはローカル顧客。というわけで、まずは顧客データを居住地別に分析していきましょう。
WASIMILの顧客関係管理では、国や都市別にデータ分析をすることが可能。顧客リストの中で、ホテルから近いエリアに居住する顧客のみを洗い出します。
STEP②ローカル顧客のさらなる分析(性別・年齢層)
ローカル顧客が絞り込めたら、次にローカル顧客のさらなる分析を進めます。
- 性別
- 年齢層
などをメインに、ローカル顧客をさらにセグメント化していきます。その結果、例えば「ローカル顧客には30代女性が多い」などが明らかになります。
キャンペーン企画時にはペルソナを30代女性に設定し、30代女性の好みそうな内容を盛り込めばよい、ということになりますね。
もちろんEメール送信時には、WASIMILの一斉送信機能を活用。メール送信時には、顧客の居住地・年代・性別などを指定して一斉送信することが可能です。
STEP③タイミングに合わせたメール本文を用意
宿泊日まであと1週間なのか、あと3日なのかで、Eメールの文章の内容も変えていくと効果的です。
タイミングに最もふさわしい魅力的な内容を盛り込んだEメールをタイムリーに送信することで、ターゲットの顧客層によりワクワク感を与えることが可能です。
WASIMILの機能を使えば、事前に送信予定のメールをスケジューリングしておくことが可能。あらかじめ文章を用意したら、あとは自動的に送信されるように設定しておくと送信漏れの心配もありません。
STEP④パーソナライズされた文章をメール本文に追加
Eメールを送信する際には、顧客の属性ごとにパーソナライズされた文章を追加するととても効果的。
「これは私のことだわ」と思える内容が記載されていると、顧客はもっと自分ごととしてそのメールを読むはずです。ただ単に無作為に送信されたメールとして受け取るのとでは全く効果のほどが異なります。
パーソナライズされた文章とは、顧客の名前を加えたり、顧客の属性に適した挨拶文を入れたりすることを指します。
パーソナライズされたサービスは、顧客に好印象を与える傾向が強いため、Eメールマーケティングにおいても意識的に強化していくと良いです。
まとめ
ホテルの閑散期は、繁忙期にできないことを集中して行うチャンスでもあります。稼働率が下がる、収益が上がらない、とネガティブな気持ちになっている暇はありません。
閑散期にこそ戦略を見直しましょう。ホテルが閑散期を乗り切るためにやるべきは、
- オンラインコンテンツを充実させる
- ローカル向けの広告やキャンペーンを打ち出す
- Eメールマーケティングを実施する
以上3つの施策です。これまでに蓄積されたデータベースは、ホテルの宝です。WASIMILを活用することで、さらに細かなデータ分析をより効果的に行うことが可能になります。さらにEメールマーケティングにおいても、これまで以上に戦略的にかつ計画的に実施することができます。
あなたのホテルがさらに大きく成長を遂げていくために、ぜひWASIMILの導入を検討されてみてくださいね!