これからのホテル戦略。コンテンツマーケティングで成功をおさめよう

ここ数年、「コンテンツマーケティングは王様である」という言葉をよく耳にします。これはまさしくその通りで、これからのホテルの成功にはコンテンツマーケティングが欠かせないものとなっていくでしょう。

そこでこの記事では…以下のような内容を解説しています。

  • コンテンツマーケティングとは何か
  • なぜホテルに有用と言えるのか
  • どんなコンテンツが良いのか

適切なコンテンツマーケティングを実施して、確実な結果を出しましょう。

ホテルに必要なコンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングを上手く活用しましょう

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングを制すには、コンテンツマーケティングの基礎かためが必要です。

まずは、コンテンツマーケティングの定義やコンテンツの種類を解説します。

コンテンツマーケティングの定義

イギリスのCMI(Content Marketing Institute)によると、コンテンツマーケティングは次のように定義されています。

”明確に定義されたオーディエンスを引きつけて維持するために、価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを作成し、配信することに焦点を当てた戦略的なマーケティングアプローチであり、最終的には、収益性の高い顧客行動を促進することを目的としている。”

出典:CMI(Content Marketing Institute)

文章が長く、ちょっとわかりにくい表現ですよね。これをホテルという立場から、少しかみ砕いて言い換えると…

「ホテルの狙いたいターゲット層を多く引きつけるために、ターゲット層にとって関りが深く価値のあるコンテンツを作成・発信することに焦点を当てたマーケティングアプローチ。最終的には、ターゲット層に宿泊してもらうことを目的としている。」

こうするとコンテンツマーケティングがどういうものであるのか、何となくみえてきませんか。

※ターゲット層とは?
自社ホテルが狙いたい客層。性別・年齢・職業などでグループ分けされた層。(例)30代 女性 サービス業

多種多様なコンテンツのあれこれ

コンテンツと言えば、ホテルのブログ記事やコラム記事、webマガジンなどのテキスト形式が代表格です。これらはコンテンツマーケティングのツールとして最も知られたものです。

しかし近年、他の形式のコンテンツも重要性が大きく高まっており、コンテンツの表現の幅はどんどん広がっています。

ここでは、いくつか代表的な例を紹介します。

1. インフォグラフィック

インフォグラフィックとは、情報やデータ、知識などを視覚的にわかりやすく表現したもの。

円グラフや図表などに、統一された色やイラストを交えたりして、パッとみて感覚的にわかるのが特徴です。身近な物でいえば、電車の路線図やドラマの人物相関図などもインフォグラフィックのひとつですね。

インフォグラフィックは、複雑な情報をわかりやすく提供できるので、さまざまなネットワークで共有・拡散されやすいのがメリット。コンテンツの中でも特に、コンテンツマーケティングに適した形式と言えるでしょう。

2. 音声

音声のみの情報なので、テキストや動画のようにユーザーの時間を奪わず、ながら聴きができるのがメリット。実際、通勤や家事といったスキマ時間に聴かれることが多いので、それらをふまえて放送時間や内容を考える必要があります。

例えば、総務省統計局の平成28年社会生活基本調査によると、日本人の平均通勤・通学時間は男女ともに片道30分以上です。したがって、通勤層を狙うならば放送時間はそれよりも短い10~20分に設定するのが良いでしょう。

また、朝の通勤と仕事帰りには、脳が活発になっているとは考えにくいですよね。ですので、平易な文章を用いて、わかりやすい音声コンテンツを心掛ける必要があるでしょう。

音声コンテンツのプラットフォームは、ポッドキャスト・Voicy・Himalaya・Standfmなどがあります。これらのプラットフォームで、定期的に音声配信をするのが主流です。

3. 動画

動画の特徴は、短時間で多くの情報を伝えられることです。

1分間の動画が伝える情報量は、180万語・3600のwebページに匹敵するとさえ言われています

動画は、ホテルの雰囲気やスタッフの姿、声のトーン、しぐさなどの非言語情報が伝わりやすいですよね。

非言語情報はコミュニケーションの93%を占めると言われるほど重要なものです。非言語情報を多く伝えることで、ユーザーは親しみや信頼を感じるようになり、ファンになってくれる可能性が高まるでしょう。

そして何よりのメリットは、動画コンテンツはまだブルーオーシャンであること。動画をビジネス利用している中小企業はまだまだ少ないのが現状です。

でも、動画広告の市場は、2017年は1374億円、2020年は2900億円(予測)と右肩上がりに成長しています。これからますます大きくなっていく市場なのは明らかですね。

いち早く動画コンテンツに取り組めば、他社ホテルとの差を付けていくことができます。

インフォグラフィックで視覚化したデータ
適切なコンテンツ選択で、ターゲット顧客にアプローチしましょう

なぜコンテンツマーケティングなの?

なぜ今、コンテンツマーケティングがホテルにとって有効なマーケティング手段と言えるのでしょうか?

この質問に対する答えは、以下の2つがあります。

  1. コストパフォーマンスが良い
  2. 広告からコンテンツ提供へのシフト

それぞれ、詳しく解説していきます。

1. コストパフォーマンスが良い

まず、コンテンツマーケティングは、初期費用を低コストで始められます。

web広告を出す場合は、広告媒体に月額費用や成果に応じた費用を払う必要がありますし、チラシ印刷や電車つり広告を行う場合ももちろん広告を出すための初期費用がかかります。

しかし、コンテンツマーケティングなら、メールマガジンやブログ、自社サイトでの記事コンテンツから始められるため、初期費用を人的コストのみに抑えられます。従来のマーケティングよりも約62%コスト削減できるのです。

さらに初期費用だけでなく、得られる効果も大きいのが嬉しいポイント。コンテンツマーケティングは、従来のマーケティングと比較して3倍のROIがあり、コストパフォーマンスが良いのです。

マーケターの66%がコンテンツマーケティングが成功していると実感しており(MarketingProfsの調査)、それで得た利益をコンテンツマーケティングに再投資していること(Gartnerの調査)も明らかになっています。

つまり、マーケターの間では、コンテンツマーケティングは成功率の高い重要なマーケティング手法として広く認知されているのです。

※ROIとは?
Return On Investment/費用対効果

広告からコンテンツ提供へのシフト

これまでのwebマーケティング手法の多くは、webサイトのディスプレイ広告やバナー広告などが主流でした。これらは企業が伝えたいことを消費者へ伝えるという、いわゆる売り込み型のアウトバウンドマーケティングです。

しかし、現代ではインターネットの普及によって広告の量が増えすぎた結果、広告というだけで拒絶反応を起こしてしまうほど消費者は「広告疲れ」になってしまいました。

消費者の広告疲れを裏付ける事実として…

そこで、時代は広告からコンテンツ提供へとシフトしてきているのです。

消費者の関心やニーズを起点としたコンテンツは、消費者が自然な形で見つけることができます。企業から消費者へのアウトバウンドマーケティングとは逆の、消費者が企業を見つけるインバウンドマーケティングなのです。

迷惑で邪魔な広告とは正反対の性質を持ち、消費者の課題や悩みの解決に役立ったり、楽しませてくれるエンターテインメントにもなります。コンテンツは消費者の心強い友人のような存在なのです。

※アウトバウンドマーケティングとは?
広告やイベント、電話営業などを使って、受け手の意思とは無関係に、 こちらが発信したい情報を届ける手法。

※インバウンドマーケティングとは?
ブログやSNS、自社メディアなどを使って、興味を喚起し受け手に読んでもらう手法。受け手の意思で情報が選択されるのが特徴。
ホテル マーケティング 戦略
魅力あるコンテンツは消費者の心を掴みます

どんなコンテンツが良いのか?

さあ、コンテンツマーケティングを始めよう!と思っても、一体どのようなコンテンツを提供すればよいのかという疑問が生まれますよね。

良質なコンテンツに欠かせないポイントを紹介します。

SNSに頼りすぎない

コンテンツマーケティングをするにあたって「SNSで定期的に発信すればよい」と考えてしまいがちですが、SNSに頼りすぎることは禁物です。

SNSとコンテンツの関係には、次のような例えがあります。

  • SNSはコップ
  • コンテンツはコップを満たす水
  • ユーザーがコップに入った水を飲む

ユーザーは水が美味しそうでないと飲みませんよね。コップがとてもキレイだからという理由で一度は飲んだとしても、美味しくなかったら二回目はないでしょう。

利用者数の多いSNSやSNSのトレンドを利用した発信は、一時的にはユーザーを引きつけられるかもしれません。

しかし、ユーザーを長期的に引きつけ続けるためには、充実したコンテンツ内容が必要不可欠なのです。

明確なペルソナを持つ

コンテンツ作成には、まず誰に向けて発信するのか、明確なペルソナを設定することから始まります。ペルソナとは、ターゲット層の代表的な一人について詳細に記載したもの。

ターゲット層は年齢・性別・職業などのグループでしたが、ペルソナはその中の特定の一人について日常生活から経済状況、心理状況など事細かに設定します。

例えばこんなこと…

  • 好きな雑誌や好みのSNS媒体
  • 旅行休暇を取りやすい職場なのか
  • ホテルにあてられる費用はどのくらいなのか
  • 旅行を計画する際に障壁となるものは何か
  • ホテルを探す際の検索キーワードは何か

このペルソナ設定には、市場調査と合わせて、これまでの自社マーケティングで蓄積されたデータや情報が役に立つのです。

これまでのマーケティングによって得た顧客データなどから、自社ホテルのターゲット層をよく理解できます。年齢や性別、居住地というデータはもちろん、口コミやゲストとの会話によって得られた情報をもとにペルソナを設定していきます。

これらのデータや情報は、あなたのホテルにしかないオリジナルなものです。あなたのホテルならではの心に刺さるコンテンツを作って、ホテルのファンを作りましょう。

コンテンツに必要な3要素

ホテルのコンテンツマーケティングは、ゲストの生活を楽にしたり、旅行計画のプロセスを簡素化したり、ホテルでの滞在に豊かさを加えたりすることで、ゲストとつながります。

そのために必要な要素は、以下の3つです。

1. 定期的で継続的であること

コンテンツの提供は、定期的で継続的なものにしましょう。

毎週1回更新ならば、曜日と時間を固定するのが良いです。そうすることでユーザーの意識が向きやすくコンテンツを見る習慣がついて、根強いユーザーの獲得につながります。

毎日更新はユーザーとの接触回数が増え、ホテルの認知度をあげることに役立つでしょう。

更新頻度は目的に合わせて決められますが、どちらも定期的に継続していくことがポイントです。

2. ひとつひとつのコンテンツがユーザーに有用であること

コンテンツはユーザーにとって、悩みを解決してくれたり、暮らしをより良くしてくれる心強い友人であることが望ましいです。

そのためには、ひとつひとつのコンテンツを丁寧に作成し、有用なものに作りあげましょう。

ちょっと箸休めの「スタッフのひとり言」や「コラム」などは、ユーザーとの信頼関係がしっかりできてからなら良いですが、初期段階では有用なコンテンツ作りに注力した方がベター◎

3. 意図的な道筋を持たせること

ユーザーにとって、コンテンツを読んだり見たりすることにストレスがないように工夫しましょう。

せっかく読んでくれても、「何が言いたいかわからない」「話題があちこちにいっている」というコンテンツでは最後まで読んでくれませんし、次回以降読まない可能性も大きくなります。

しっかりと筋道をたて、目次を表示したり、結論から述べたり、読みやすさや見やすさを工夫しましょう。

ホテル マーケティング
ポイントを抑えて効果的なコンテンツを制作しましょう

コンテンツ作成の戦略

常にコンテンツマーケティングの指針となるのは、「潜在的な顧客を取りこぼさず、その顧客ニーズを満たし、顧客の問題を解決する」ということであるべきです。

今や私たちは、テレビCMやweb広告でよく見る企業よりも、私たちに有用なコンテンツを提供してくれる企業の方を信頼しやすい傾向があります。

充実したコンテンツ内容を作成するための重要な戦術は以下の通りです。

1. キーワード調査

コンテンツにしようとしているトピックを求めているユーザーは、どのくらいいますか?

適切なキーワード設定で作られたコンテンツは、公開後もずっと読まれ続けます。すなわち、良質なコンテンツは継続的に集客してくれる資産となるのです。

そのためには、あなたがコンテンツにしようとしているトピックが実際にニーズとして存在するのかを確認する必要があります。

ニーズが少ない内容のコンテンツを提供しても、あまり効果は期待できません。

コンテンツ作成にあたっては、取り上げようとしているトピックに関連するキーワードが十分に検索されているのかをまず確認しましょう。

十分なニーズがあってこそ、あなたのコンテンツは有益な素晴らしい資産となるのです。

2. マーケットの選択

どのようなマーケットでコンテンツを提供しますか?

コンテンツ提供も競争の場です。どの分野で競争するのかしっかり検討する必要があります。

すでにあるマーケットでも勝つ可能性はありますが、未開拓のニッチなマーケットで勝負をする方が効率的です。ニッチなマーケットでは、そこを開拓していくだけで目立つ存在となり、先行者優位を取れます。

特に、コンテンツマーケティングの初期段階ならば、ニッチなマーケットを狙うことが最善です。

3. 常に革新

常に革新できることを探していますか?

一度ヒットしたコンテンツのトピックを、次回以降も使い続けるということはよくあります。コンテンツ作成も簡単でヒットする確率も高いと誰もが思うでしょう。

しかし、似たようなコンテンツを複数提供してしまうと、自社コンテンツ内での競合が起きてしまい、結果的に効率的にマーケティングできなくなってしまいます。

ヒットしたコンテンツを使いまわすのではなく、ヒットしたコンテンツの共通点を分析し、次回以降のコンテンツに活かしましょう。

一度得た成功に固執するのは楽ですが、マーケティングの世界は変化のスピードも早いので、常に分析・観察を怠らず革新していく姿勢が重要です。

コンテンツを革新するためのデータ分析
常に分析・観察を行いましょう

ゲストやインフルエンサーが作成したコンテンツ

これまで、自社ホテルで作成するということを前提に、コンテンツマーケティングについて解説してきました。しかし、ホテルのコンテンツマーケティングには、そのロードマップとは異なる特別な種類のコンテンツがあります。

それが、ゲストやインフルエンサーが作成するコンテンツです。

ゲストのコンテンツ

ちょっとした計画を立てれば、ゲストにコンテンツを作成してもらうことができます。写真やビデオを撮ることは、旅行中は自然にしてしまうことですよね。

その上、ホテル選びにこだわりがあったり、ホテルに思わず写真を撮りたくなるモノがあれば、友人や家族に伝えたいと思うのは当然のことです。ゲストにコンテンツを作ってもらいたい場合は、以下のことを意識しましょう。

1. ゲストの動機を考える

代金を払っている側のゲストが、わざわざホテルの写真や動画などを投稿するのはなぜでしょうか?

それは例えば、投稿によって割引サービスが受けられたり、毎週豪華賞品があたるキャンペーンの応募のためだったりするかもしれません。

ゲストの立場にたって、投稿してもらうには何が必要かを考えてみましょう。

2. オリジナリティーに焦点を当てる。

あなたのホテルならではの特徴があれば、ゲストに投稿を促すのも良いでしょう。

例えば、プールサイドでのカクテルメニューが充実している、高級アメニティを用意している、インスタ映えする和風庭園があるなど。

他のホテルにはあまりないオリジナリティーを持っていると、ゲストにコンテンツ作成してもらいやすくなります。

インフルエンサーのコンテンツ

インフルエンサーが生成したコンテンツは、コンテンツマーケティングの中でも特殊なものです。インフルエンサーとは、著名人やブロガー、ソーシャルメディアのフォロワー数が多い人を指します。

このようなインフルエンサーをホテルの宿泊客として招待し、彼らの経験に基づいたコンテンツを作成して公開することでリターンを得るという流れです。

この流れは暗黙の了解として行われることもありますが、最近では、ホテルとインフルエンサーが正式な契約を結んで、期待値、タイムライン、報酬などを明確に明示して取引を行うことも多くなってきました。

ホテルマーケティングオートメーション
ゲストやインフルエンサーにコンテンツを作ってもらえるよう、動機付けをしましょう

ホテルのコンテンツマーケティングに飛び込もう

ホテルのコンテンツマーケティングは楽しく魅力的なものでなければなりません。

そのために、正しい理解と検討から始めましょう。

コンテンツマーケティングの意味とホテルに有用な理由を理解し、どのようなコンテンツが最適かを考え、コンテンツ作成の戦略を押さえた上で、ゲストやインフルエンサーの力も借りながらコンテンツマーケティングを進めていきましょう。

この記事が、ホテルのコンテンツマーケティングをやってみようと決断するきっかけとなったら幸いです。

*この記事はRank Defenderの創業者であるJase Rodley氏の協力をもとにWASIMILが翻訳・編集を行ったものです。
オリジナル記事:”Hotel Content Marketing Gets Measurable Results

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