中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入するメリットと作成のヒント

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入するメリットと作成のヒント

あなたのホテルでは、ロイヤルティプログラムを活用していますか?

集客が難しい閑散期は、一件でも多くの予約を獲得しようと、必要以上に客室料金を下げて販売しがちです。
しかしこれは、長い目で見ると、あまり賢い施策とはいえません。
一度下がった宿泊料金や、ホテルのブランドイメージを回復させるのは、思っている以上に大変だからです。

ただ安売りするのではなく、顧客体験を向上させて、リピーター獲得や直接予約を促進することに目を向けましょう。
その施策のひとつとして検討したいのが、ロイヤルティプログラムの導入です。

この記事では、中小規模ホテル・旅館がロイヤルティプログラムを導入するメリットや、プログラム作成のポイント、魅力的な特典のアイディアなどを解説していきます。

ホテルのロイヤルティプログラムとは?

ホテルのロイヤルティプログラムは、顧客にホテルののブランドやサービス、商品に対する愛着感を与え、顧客生涯価値(LVT)を向上させることを目的としています。
つまり、ロイヤルティプログラムを通して、お客様にあなたのホテルのファンになってもらうのです。

アメリカのClarus Commerce社の調査によると、あるブランドのロイヤルティプログラムに満足している消費者のほぼ10人中9人(86%)は、たとえ競合他社がより低い価格を提供しても、そのブランドを選ぶ傾向にあるとのこと。
また、同社の別の調査では、顧客ロイヤルティが7%アップするだけで、顧客生涯価値が最大で85%も増加する可能性があるという結果が報告されています。

すでに、ほとんどの大手ホテルが、独自のロイヤルティプログラムを運営しているのは、皆さんもご存知の通りです。
閑散期には、宿泊ポイントが通常より多く貯まるキャンペーンや、ひとつのホテルプログラムの上級会員であれば、ほかのホテルプログラムでも上級会員資格が獲得できる「ステイタスマッチ」などのキャンペーンが、集客対策として積極的に実施されています。
ホテル 集客 アイデア

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入するメリット

大手ホテルだけでなく、中小規模のホテル・旅館もロイヤルティプログラムを導入することで、つぎのようなメリットが期待できます。

  1. 特別な顧客体験の提供
  2. 直接予約の促進
  3. リピーターの獲得
  4. 費用対効果
  5. 顧客情報の収集

ひとつずつ説明していきますね。

特別な顧客体験

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入する1つめのメリットは、あなたのホテルに宿泊するお客様に、特別な顧客体験(CX)を提供できることです。
ロイヤルティプログラムの会員としてスタッフに認識されたり、特典を受けたりすることで、お客様は自分がホテルにとって特別な存在であると認識するようになるでしょう。
このようにして、顧客ロイヤルティを高めていけば、ホテルにとって長期的な利益をもたらす顧客を育成することができます。
ただしパーソナライズされたサービスを成功させるためには、一貫性が重要です。
PMSを活用して、全部署のスタッフと顧客情報を共有することを心がけましょう。

顧客ロイヤルティの管理や、顧客ロイヤルティを測るネットプロモータースコア(NPS)について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ

直接予約の促進

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入する2つめのメリットは、直接予約が促進できることです。
公式サイトで直接予約したほうが、会員としての特典が受けられてお得だとアピールすることは、OTAへの依存から抜け出すきっかけになります。
直接予約の割合が増えていけばいくほど、OTA手数料として支払っていた分が、ホテルの収益として加算されることは言うまでもありません。
特に、限られた客室数で収益を上げたい中小規模のホテルにとって、直接予約の促進は必要不可欠といえるでしょう。

リピーターの獲得

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入する3つめのメリットは、リピーターを獲得できることです。
魅力的なロイヤルティプログラムは、競合ホテルとの差別化になり、あなたのホテルに宿泊したお客様が、リピーターになる可能性が高まります。
マーケティング理論で、「2:8の法則」というものがありますが、これは売り上げの8割は、2割の優良顧客(リピーター)があげているという理論です。
つまり、リピーターの獲得・維持は、ホテルの売上に大きく影響する重要なポイントなのです。

費用対効果

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入する4つめのメリットは、マーケティングの費用対効果(ROI)が高いことです。
新規顧客の獲得は、リピーターを維持するコストの5倍かかる(1:5の法則)といわれるように、既存顧客をターゲットにしたマーケティング施策は、より少ないコストで効果的に結果を出すことができます。
もちろん、ロイヤルティプログラムでリピーターを増やしていけば、口コミで新規顧客の獲得も期待できるでしょう。

顧客情報の収集

中小規模ホテルがロイヤルティプログラムを導入する5つめのメリットは、デジタルマーケティングの基本となる、顧客情報を収集できることです。
Eメールマーケティングのためのメールアドレスはもちろん、お客様の属性や嗜好といった情報を分析すれば、より効果的なセグメントマーケティングが可能になります。

顧客情報をセグメントマーケティングに活用する方法については、「ホテルマーケティングにおけるペルソナの重要性と設定方法」で詳しく解説しています。

ホテルがロイヤルティプログラムを作成する際のポイント

ホテルのロイヤルティプログラムは、ただ作ればいいというわけではありません。
アメリカのBond社が毎年発行する「The Loyalty Report」によると、平均的な消費者は14.8種類のロイヤルティプログラムに参加しているが、実際に使っているのはその中の6.7のプログラムのみとのこと。

実際にお客様に使ってもらえるロイヤルティプログラムを作成するためには、つぎのポイントをおさえておきましょう。

  1. 特典の獲得・利用のルールを事前に決定
  2. 簡単に参加できるシステムを構築
  3. すぐに使える特典を提供
  4. 会員ランク制度を導入
  5. パーソナライゼーション
  6. ゲストからのフィードバックを検証

特典の獲得・利用のルールを事前に決定

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント1つめは、特典やルールをできるだけシンプルで明確にしておくことです。
プログラムに参加することで、お客様にとってどんなメリットがあるのか、ひと目でわかるような特典を設定しましょう。

また、特典獲得や利用の条件は、あまりにもハードルが高すぎると、お客様のモチベーションが下がってしまいます。
かといって、簡単にしすぎても、今度はコストと見合わなくなる可能性がありますよね。
そのあたりの調整を事前にしっかりしておくことが大切です。

簡単に参加できるシステムを構築

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント2つめは、お客様が簡単に参加できるシステムを構築することです。
例えば、プログラムに参加するために、ホテルで申込用紙に記入しなければならないとなると、面倒に感じる方が多いでしょう。
公式サイトやアプリからなら気軽に参加できますが、この際にも、登録時に記入事項が多いと、途中で面倒になってしまいますよね。
登録はメールアドレスとパスワードのみ。その後、アカウント内のプロフィール欄をお客様に埋めてもらう、というシンプルなシステムを構築しましょう。

すぐに使える特典を提供

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント3つめは、すぐに使える特典を提供することです。
会員限定料金や、レイトチェックアウトなど、会員になるだけで受けられる特典があれば、そんなに頻繁にホテルを利用する顧客でなくても、参加するメリットがあると判断されるでしょう。
実際に、大手ホテルのロイヤルティブログラムでも、入会してすぐに使える特典が用意されています。

会員ランク制度の導入

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント4つめは、宿泊数による会員ランク制度を導入することです。
ゴールを達成すれば、より価値の高い特典がもらえるというゲーミフィケーションを活用することで、顧客のエンゲージメントをより高めることができます。
ただし、その上級会員の特典が、何泊もしてまで手に入れる価値があるものなのかどうか、顧客側も計算していることを忘れないようにしましょう。
また、会員ランク制度といっても、大手ホテルのロイヤルティプログラムのように、いきなり何段階も設定する必要はありません。
まずは、通常会員と上級会員の2段階で、シンプルなシステムを導入することをおすすめします。

パーソナライゼーション

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント5つめは、パーソナライゼーションです。
会員としての特典や限定オファーが魅力的でなければ、お客様をロイヤルティプログラムに引き込むことは難しいでしょう。
しかし、どのような特典を魅力的だと感じるかは、お客様によって異なります。
そこで重要になるのが、特典や会員限定オファーの内容をできるだけパーソナライズすることです。
一例として、誕生月に宿泊すると、シャンパンやチョコレートなどが、ウェルカムアメニティとしてプレゼントされるというのも、特別な顧客体験につながる可能性がありますよね。
ほかにも、それぞれのセグメントが関心を持ちそうな特典をいくつか用意して、お客様に選択してもらうというのも、ひとつの方法です。

CRMで特典をパーソナライズ

また、CRMを活用して、優良顧客になりそうな会員にターゲットを絞り、個別の会員オファーを提供することも可能です。
例えば、スパの利用履歴がない対象顧客には、スパの利用が10%OFFになる初回割引特典。
すでに利用履歴がある対象顧客には、関連商品の割引特典。
というように、ターゲット層ごとにアピールする特典で、クロスセルを促す施策も検討してみましょう。

ゲストからのフィードバックを検証

ロイヤルティプログラムを作成する際のポイント6つめは、お客様からのフィードバックを検証することです。
よりお客様が関心のある特典や、使いやすいシステムを構築するために、定期的にプログラムに参加していお客様にフィードバックをお願いし、検証していきましょう。
ロイヤルティプログラムのアプリや公式サイトから、簡単にホテルにフィードバックが送信できるようにしておけば、お客様とのコミュニケーション手段としても活用できます。
ホテルのロイヤリティ・プログラムを作る

ホテルのロイヤルティプログラムの特典アイディア

ホテルのロイヤルティプログラムの特典として、お客様が喜ぶものは、必ずしも豪華な賞品とは限りません。
レイトチェックアウトやアーリーチェックインに代表されるように、コストをかけずに、お客様を惹きつける特典を提供することは十分可能です。
例えば、家族連れのお客様なら、エキストラベッドの特典は非常に助かりますよね。
ほかにも、スイミングプールなどの館内施設へのアクセス、ジムでミネラルウォーターのボトルを1本サービスなど、あなたのホテルにあるものすべてが特典として活用できるのです。
さらに、地域の観光施設や飲食店などと提携すれば、ローカルビジネスの活性化にも役立ちます。

特典の例:

  • レイトチェックアウト/アーリーチェックイン
  • 客室のアップグレード
  • 館内施設へのアクセス
  • 朝食無料
  • 館内レストラン・バーの割引
  • 会員限定の宿泊レート
  • 誕生月にチョコレートのプレゼント
  • 近隣の提携施設での割引
  • メンバー限定イベントへの参加
  • エキストラベッドのサービス
  • 駐車場サービス
  • 自転車の貸し出し

ホテルロイヤリティプログラム

ロイヤルティプログラムの特典としてクーポンを活用

ホテルのロイヤルティプログラムの会員向け特典として、クーポンを活用するのもおすすめです。

例えば、下記のような、宿泊に付加価値をプラスする特典クーポンを送信することで、宿泊予約を検討してるお客様に対して、背中を押してあげることができます。

クーポンの例:

  • ウェルカムドリンクのサービス
  • アメニティギフトのプレゼント
  • 特別イベントへの招待・優待

より特別感を出すためには、全員に同じクーポンを一斉に送るのではなく、CRMでターゲット層を絞って、パーソナライズされたクーポンを送信しましょう。

WASIMILのクーポン管理機能

ホテルシステムWASIMILのクーポン管理機能を使えば、有効期限や除外日の設定などをカスタマイズしたクーポンが簡単に作成・発行できます。
クーポンは、メールマーケティングはもちろん、自社予約システムでの予約時や、チェックイン時でも発行可能。在庫数や発行数も、WASIMILで一元管理されます。
もちろんPMSとも連携しているので、会計時には、PMSにクーポンが自動的に反映されて安心です。

ホテルがクーポンをマーケティングツールとして活用する方法やヒントについては、「クーポンを使って収益アップへ!クーポン活用方法のヒントを解説」で詳しく説明しています。

まとめ

今回は、中小規模ホテル・旅館がロイヤルティプログラムを導入するメリットや、作成のヒント、特典のアイディアなどについてお伝えしてきました。
もしあなたのホテルで、まだロイヤルティプログラムを導入していないのであれば、閑散期対策のひとつとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
パーソナライズされた魅力的な特典で、あなたのホテルのファンを増やしていきましょう。

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