ホテルサイトの宿泊予約コンバージョン率ガイド

ホテルサイトからの宿泊予約は、レベニューマネジメントの観点からみて非常に重要なポイントです。

OTA経由の宿泊予約には手数料がかかってしまいます。手数料にもさまざまな種類があるのでわかりにくく、多いときには20%もの手数料をとられてしまうことだってあります。

ホテルサイトからの直接予約なら手数料はかかりません。収益アップするには直接予約を増やすことが重要なのです。

そこで、この記事ではホテルサイトにおけるコンバージョン(宿泊予約)率について解説します。

ホテル集客に重要なコンバージョン率

ホテルサイトからの直接予約を増やすには?

ホテルのWebマーケティングを考える場合、多くの人が「ホテルのwebサイトを見てくれる人が多ければ多いほど良い」と考えるでしょう。

それはもちろん一般的には正しいです。

ただ、それだけでは十分ではありません。

サイトアクセスを増やすだけで集客できるのか?

ここで例え話です。

穴の開いたバケツに水を集めるとしたら、あなたはどんな解決策を講じますか?

①バケツにひたすら水を入れる

②バケツの穴を修理する

ほとんど全員が②を選びますよね。

穴の開いたバケツにいくら水をいれても、どんどん漏れてしまい、結局は十分な水を集められないことは明白です。

この例え話を次のようにあてはめて考えてみてください。

バケツ = サイト

水  =  ユーザー

修理 = 最適化

いくらサイトへ訪れるユーザー(サイトアクセス)が増えても、サイトが見にくかったり、わかりにくかったりと最適化されていない状態だと、なかなか宿泊予約には繋がりません。

すぐにバケツを修理して水を集めましょう。

すなわち、サイトを最適化してユーザーの宿泊予約を獲得するのです。

トラフィックを逃すサイトを示す、穴の開いたバケツの例
サイトへ訪問者がきても、バケツからこぼれ落ちていたらどうでしょう

まずコンバージョン率にアプローチしよう

そこで、注目すべきはコンバージョン率。

ここでいうコンバージョンは、宿泊予約のこと。

コンバージョン率とは、サイトに訪れた人のうち、コンバージョン(宿泊予約)した人の割合です。

例えば、あなたのホテルサイトに毎月1000ユーザー訪れているとしましょう。そのうち10人が宿泊予約したなら、コンバージョン率は1%ということになります。

そして、この状況でさらに宿泊予約を増やしたい場合、どちらの方法を取りますか?

①サイトアクセス数を月に2,000ユーザーに倍増させる

②サイト内のコンバージョン率を2%に上げる

どちらを選んでも、結果的に予約成約数は同じです。

でも、新たに1,000ユーザーをホテルサイトに流入させるためのコストを考えてみてください。1000ユーザーを新たにホテルサイトへ流入させるために、SNS広告やGoogleAdsへかなりのコストをかけたのではないでしょうか?

つまり、ホテルサイトのコンバージョン率を改善することで、サイト訪問者をより高い確率で実際の宿泊客として獲得できるレベニューマネージメントを行っていけます。

Webマーケティングは、webサイトへの「サイトアクセスを増やすこと」ばかりに集中するのではなく、「サイトを最適化してより多くのサイト訪問者を宿泊客に変換すること」に時間を費やしていくことが大切です。

実際問題、サイトを訪れたユーザーをホテルの宿泊客に変えることができなければ、どれだけ多くのユーザーがあなたのwebサイトに来ても、あなたのマーケティングは失敗しているということになります。

コンバージョン率とは?正確な数値を把握しよう

まずはあなたのホテルのコンバージョン率を理解し、把握することが大切です。

Googleアナリティクスは必須!

Googleアナリティクス(通称GA)とは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。

サイトへのアクセス数、ユーザーの年齢や居住地、コンバージョンデータなど…マーケティングに有用な情報がわかります。

今やWebマーケティングのマストツールといえるGoogleアナリティクスは、日本の上場企業の8割以上が活用しているんです。もし、まだ導入していないなら今すぐ導入しましょう。

このGoogleアナリティクスを活用して、正確なコンバージョン率を知ることができます。

ホテルなら、「コンバージョン=宿泊予約」が一般的ですが、他にも次のようなものも分析可能です。

  • レストランの予約
  • スパのパッケージの購入
  • 企業打合せ、パーティー、結婚式会場予約のお問い合わせ
  • ヨガクラスへの申し込み

数値として収集できるものならどんなものもコンバージョンとして計測できます。

予約システムを使用している場合はEコマーストラッキング

多くのホテルでは、空室状況と価格を表示するために予約システムを使用しています。

この予約システム上で、Google アナリティクスを介して顧客がどのようにコンバージョンしたかを把握できるようにする必要があります。このタイプのGoogle アナリティクスでのトラッキングは「e コマース トラッキング」と呼ばれています。

ぜひGoogle アナリティクスのe コマース トラッキングを設定してください。

ホテルのコンバージョン率やwebサイトが生み出す収益の改善に役立つデータを幅広く提供してくれるでしょう。

e コマース トラッキングを設定すれば、以下のようなデータを取得できます。

  • 予約数
  • 収益の発生量
  • 平均的な注文値
  • プラン別の販売実績
  • カテゴリー別の販売実績
  • オンライン予約のコンバージョン率

e コマースのコンバージョン率は次のように算出されます。

コンバージョン率=(トランザクション数/セッション数)×100(%)

予約システムを使用していない場合は目標完了トラッキング

あなたのホテルが予約システムを使用していない場合、コンバージョンのトラッキングが難しいことがあります。

例えば、ユーザーがWebサイトを見てホテルを気に入ったが、予約システムがないので電話で予約した場合。これでは、webサイトをみた結果の電話予約なのか、友人にすすめられた結果の電話予約なのかを見分けることができませんよね。

つまり、webサイトから離れてしまった宿泊予約は追跡できないのです。

したがって、ユーザーに期待する目標行動には、以下のことを検討すると良いでしょう。

  • お問い合わせフォームからの空き状況の確認連絡
  • 宿泊予約を確定するようなEメール申し込み
  • 会場予約へのお問い合わせ
  • 料理教室や瞑想リトリートへの関心表明

額面上はお金のやり取りはありませんが、これらはすべて販売につながる可能性があるのです。このような目標完了型の行動は、「リードジェネレーション(見込み客の獲得)」と呼ばれています。

Google アナリティクスの目標設定では、こうした行動を測定して結果分析することができます。

また、これらの行動にお金の価値を割り当てることもできます。

例えば、会場予約の平均販売価格を知っていて、リード(見込み客)の何%を販売に転換できるかを知っていれば、1リードがどれくらいの価値があるかの目安を知ることができます。

目標完了コンバージョン率は次のように算出されます。

コンバージョン率= (セッション数/目標完了数)×100(%)

コンバージョン率をあげるには?

コンバージョン率について理解したところで、コンバージョン率をUPさせるためのステップを紹介します。

Googleアナリティクスの結果を活用する

Googleアナリティクスで得られたデータを活用しましょう。

例えば、サイトを訪れるユーザーの年齢層がわかります。若年層が多いならお得なプランを打ち出してみたり、リタイア層が多いならwebサイトの文字を大きめにデザインしたり…。

他にも、ユーザーの居住地として都道府県や国もわかります。外国人が多いならサイトの多言語化を導入しても良いでしょう。ある特定の国が多いとわかれば、その国の大型連休には連泊キャンペーンを実施することもできますね。

また、webサイトのどのページがよく見られているかということもわかります。人気のページがわかれば、そのページを前面に押し出してユーザーの関心をひきつけられます。

このように、Googleアナリティクスで得たデータを活用すれば、明確なターゲティングができwebサイトの最適化が可能です。ひいては、マーケティング全体に重要なデータにもなりえます。

ページではなくWebサイト全体をみる

ここで注目すべきは、コンバージョン率を個々のページレベルで見るか、Webサイト全体で見るか、という点です。

ページレベルではなくWebサイト全体のコンバージョン率を見ることを強くおすすめします。

なぜなら、Webサイト全体のコンバージョン率は、webサイトに投入されたすべての努力や施策を反映しているからです。

もしページレベルで見る場合、ブログ1ページと宿泊予約ページのコンバージョン率を同等に比較することになります。この2つのページに同じコンバージョン率を求めるのはいささかおかしいですよね。明らかに宿泊予約ページのコンバージョン率が高いでしょう。

しかし、だからといってブログ1ページが、何の役に立ってもいないというわけではありません。ブログをきっかけにホテルに興味を持ち、間接的に宿泊予約につながることはよくあるのです。

したがって、ブログや宿泊予約ページ、その他コンテンツなどを総合的に評価するために、webサイト全体のコンバージョン率を見るべきなのです。

レベニューマネジメント視点のアイデア総力戦

コンバージョン率をあげるためには、Googleアナリティクスの計測結果をふまえたマーケティングの総力戦が求められます。あなたのホテルに適したマーケティング手法を探してみてください。

次のような代表的なWebマーケティング手法があります。

アイデア次第で、他にも方法はたくさんあるでしょう。

今まで見てきた顧客層や培った経験から、あるいは他分野の意見を求めることでも、斬新なアイデアが生まれるかもしれません。

参考にすべきコンバージョン率の指標

ここで、指標となるコンバージョン率を見てみましょう。

多くの情報ソースから、ホテルwebサイトのコンバージョン率の平均をご紹介します。

ただし、小規模で個性的なブティックホテルの平均値を算出するのは困難なため、ここでは旅行業界のコンバージョン率について言及しています。

漫然とコンバージョン率にアプローチするのではなく、明確な指標を持って目指していくことが、効率的に成果をあげる最短ルートとなるでしょう。

eコマースのコンバージョン率

ホテルのeコマースのコンバージョン(自社ホテル予約システムのコンバージョン)に関するベストな公開データは、デジタルマーケティングを手がけるWolfgang Digital社の「eコマースKPIベンチマークレポート」を参照しましょう。

ホテルだけのデータではありませんが、近しいものとして考えられます。

eコマースのコンバージョン率の平均値

  • 2016: 2.04%
  • 2015: 2.01%
  • 2014: 1.56%

また、世界最大の統計データプラットフォームを提供するStatista社は、世界の旅行業界におけるeコマースのコンバージョン率(2015年)を公開しています。Statistaのデータは地域やデバイスによって分かれてはいますが、平均値はWolfgang Digitalのデータに近似しています。このことからも、上記の平均値はより信頼性の高いデータと言えるでしょう。

旅行業界の目標完了コンバージョン率

ランディングページ作成ツールを提供するUnbounce社の「2017年3月版コンバージョンベンチマークレポート」によると…

旅行業界の目標完了コンバージョン率

  • 中央値が5.0%
  • 最高で19.7%以上
  • 全体の1/4で2.1%以下
業種別リードジェネレーションのコンバージョン率
業種別リードジェネレーションのコンバージョン率(2017年3月) 出典:Unbounce

上図からわかるように、旅行業界のコンバージョン率は業界3位でビジネスコンサル業界と並んでいます。上位の金融業界と教育訓練業界とも僅差ということがわかります。

デバイス別のコンバージョン率

Adobe Digital Indexの2015年「ベスト・オブ・ザ・ベストレポート」では、旅行部門のデバイス別、地域別のコンバージョン率の内訳が示されています。

下図からわかるように、デスクトップのコンバージョン率はすべての地域で引き続き高くなっていますが、ヨーロッパでは圧倒的に高くなっていることがわかります。

Travel Sector Conversion by Device and RegionTravel industry conversion rates by device and region (2015)
Source: Adobe Analytics

さらにAdobeの2016年のレポートと比較すると、下表のようにデバイス別コンバージョン率の2年間の変化がわかります。

単位%、()内は最高値

2015 2016
PC 1.5   (3.1) 1.8   (3.5)
モバイル 0.3   (0.5) 0.5   (0.9)
(デバイス別旅行業界のコンバージョン率の平均 出典:Adobe Analytics)

旅行業界全体としてはPCでのコンバージョン率を向上させる試行錯誤が行われたということでしょう。長期的な勝者となるのには「モバイルファースト」を念頭にしたホテルのwebサイトが重要になってくると信じてはいますが、特にヨーロッパでは、PC経由でホテルの宿泊予約を稼ぐ道がまだまだあるようです。

旅行業界のコンバージョン率は伸びている

何年にもわたるコンバージョン率の経過を見ると、旅行業界のコンバージョン率は良くなってきているといえます。

2012年に実施されたMarketing Sherpaの「webサイト最適化ベンチマーク調査」の結果は、下図の通りです。旅行業界のコンバージョン率は平均4.0%で、当時は小売業や非営利団体以外のほぼ全ての業界に負けていました。

Average Website Conversion Rates by Industry, April 2012業種別平均ウェブサイトコンバージョン率 (2012年4月)
出典:Marketing Sherpa

旅行業界はwebサイトのコンバージョン率があまり良くありませんでしたが、今、時代は確実に変化しています。

今では多くのホテルが、Google Hotel Ads、有料ソーシャルメディアキャンペーンやPPC(ペイパークリック)といった広告ツールを使うようになっています。支払った広告費に見合う、あるいはそれ以上の成果をあげるために、ホテル経営者たちは思考錯誤し始めているのです。

その結果、2012年には旅行業界はコンバージョン率が下から3番目でしたが、2017年には上から3番目にまで浮上しているのです。

まとめ

ホテルサイトからの宿泊予約を増やすためにはコンバージョン率に着目すべきです。

コンバージョン率を高めるために、まずはGoogleアナリティクスで正確なコンバージョン率を計測し把握すること、そしてGoogleアナリティクスのトラッキング結果を活用して最適化することが重要です。その際には、さまざまなコンバージョン率の指標を参照し、業界の動向をチェックしましょう。

近年、旅行業界のコンバージョン率は伸びています。これからますます多くのホテルがホテルサイトからの宿泊予約獲得に力を入れるでしょう。時代の流れに乗り遅れないように、ホテルサイトのコンバージョン率にアプローチしてください。

*この記事は、Rank Defenderの創業者であるJase Rodley氏の協力をもとにWASIMILが翻訳・編集を行ったものです。
オリジナル記事:Hotel Conversion Rates Explained

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