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ホテルの直販予約を50%に上げる方法

Written by:
Hinako
October 25, 2024

ホテルの利益率を増やす方法の1つとして、直販予約を増やすことがあげられます。
なぜなら、直販予約を増やせば、OTAに支払う手数料を節約できるからです。
今回は、OTA経由の予約が多い理由や、OTAごとの手数料、直販率を50%に上げる方法について解説致します。
「ホテルの売上が中々伸びない。」
「直販予約を増やしたい。」
「利益率が低く、経営が苦しい。」
と悩んでいるホテルの経営者や支配人の方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

直接予約を増やして利益率向上
直接予約を増やすことで利益率も向上します

OTAとは旅行専門のWebサイトのこと

OTA(online travel agent)とは、インターネット上で顧客に代わり、宿泊施設の予約や航空券の購入を代理で行ってくれる企業のことを指します。
代表的なOTAの例として、楽天トラベルやじゃらん、Expedia、Booking.comなどがあげられるでしょう。

OTA経路の予約は全体の38.4%

日本旅行協会が2019年度に行った経営状況等統計調査によると、ホテルのOTA経路予約は、全体の38.4%であることが明らかになりました。
ちなみに、以下がその他経路での予約の割合です。

  • 旅行代理店経由…22.2%
  • 自社サイト経由…9.9%
  • 電話やメールなどの直接予約…29.5%

上記の結果を見ると、OTA経路の予約が1番多くの割合を占めていることがわかります。

OTA経路の予約が多い理由

ホテル業界で、OTA経由の予約が多い理由として、以下の3つがあげられるでしょう。

  • OTAサイト内のポイントが溜まる
  • 24時間いつでもどこでもすぐに予約できる
  • OTAは検索連動型広告を出していることが多い

まず、OTAのメリットの1つとして、OTA経由で予約をすると、OTAサイト内で使えるポイントが溜まることがあげられます。
例えば、楽天トラベルでホテルを予約した場合は、楽天ポイントが溜まります。
楽天ポイントは、国内の宿泊施設や楽天ポイント加盟店、楽天市場などで利用可能です。
上記の理由から、「使い道が沢山あり、お得にポイントが貯められる。」と考えて、OTA経由で予約する人も少なくありません。
また、OTAは、24時間好きな時に予約可能なのも魅力でしょう。
ホテルスタッフが忙しい時間帯や深夜に、電話やメールでホテルに予約を入れようとすると、ホテル側が電話に出られなかったり、連絡が遅れたりする場合が多々あります。
しかし、OTA経由の予約は24時間、いつでもすぐに予約が取れるため、急な用事で予約が必要になった顧客にとって非常に便利でしょう。
さらに、OTAは検索連動型広告(リスティング広告)を出している場合が多いので、検索の手間を省きやすいのも特徴といえるでしょう。
ちなみに検索連動型広告(リスティング広告)とは、ユーザーが入力した検索情報を元に、検索結果内に、ユーザーが興味を持ちそうな広告を表示することを指します。
例えば「広島 温泉 ホテル」で検索するユーザーがいるとします。
上記のユーザーの検索画面には、広島にある温泉つきホテルの検索連動型広告が現れるため、公式サイトよりもユーザーの目に留まりやすいといえるでしょう。

OTA別手数料比較

OTAの手数料は宿泊代金の6~15%です。
また、下記がOTA別の手数料一覧です。

じゃらんnet

1名利用の場合…6%
2名以上の場合…8%

楽天トラベル

1名利用の場合…7%
2名以上の場合…8.25%

るるぶトラベル<

1名利用の場合…8%
2名以上の場合10%

一休.com

10%

Expedia

15%

Booking.com

12%
上記の結果から、OTA経由で予約を受けた場合、売上の1割近くを手数料としてOTAに支払わなくてはならないことがわかります。
また、手数料が割高である、海外OTA経由の予約が増えると、OTAに支払う手数料はさらに増加してしまうでしょう。
ホテルの利益率を上げるには直販予約を増やすのが有効
ホテルの利益率をてっとり早くあげる方法として、公式サイトや電話予約などの、OTAを介さない 直販予約 を増やすのが有効です。
直販予約を増やせば、手数料を節約し、結果的に自社の利益を大幅にアップさせられるでしょう。
また、以下の項目では顧客体験を工夫して、直販率を50%に上げるための方法について解説します。

顧客体験を工夫して直販率を上げる

顧客体験とは、顧客が製品やサービスを認知して購入・評価するまでの課程を指します。
ちなみに、ホテルでの顧客体験は、以下の部分を指すでしょう。

ホテルをインターネットや雑誌などで認知し興味を持つ

公式サイトやOTAなどを経由してホテルを予約する

ホテルにチェックインする

ホテルでサービスを受けて満足・感動する

チェックアウトする

ホテルの満足度やサービスの質を評価する

再び予約する

また、顧客体験を工夫して直販率を50%に上げるには、以下の5つの方法が有効です。

  • 手軽に素早く予約できる公式サイトを作る
  • 質の高いサービスを提供してポジティブな口コミを増やす
  • SEOに強い広告作り
  • Google アナリティクスで公式サイトを分析する
  • CRMを導入する
データを収集して改善
データに基づき改善を繰り返しましょう

顧客が使いやすい公式サイト作り

直販率を上げるには、まずオンラインでの顧客体験の課程で、顧客を公式サイトに誘導するとが重要でしょう。
なぜなら宿泊予約の大半は、オンライン経由で行われるからです。
また、オンライン予約の顧客体験は、オンライン上に表示されたホテル情報が顧客の目に留まることから始まります。
オンラインで表示されるホテル情報として以下の例があげられます。

  • 公式サイト
  • OTA
  • ブログ
  • ソーシャルメディア
  • 旅行ブログ
  • 観光・地域づくり法人(DMO)によるブログ

顧客に公式サイト経由で予約を取ってもらうには、公式サイトのデザインや内容が簡略で使いやすい物であることが重要です。
理由としては、顧客がホテルを予約する際、予約サイトの使いやすさを重視することがあげられます。
Hotels.comの調査によると、ホテルを予約する際、顧客はホテルの料金や口コミの他に、予約サイトやアプリの使いやすさを重視することが明らかになりました。
また、日本人の33%、世界では42%の人が「宿泊する当日にホテルを予約した経験がある。」と答えています。
上記の結果から、直販予約を増やすには、簡易的かつスピード感を持って予約できるような公式サイト作りが重要でしょう。
具体的には。会員登録してログインすれば、個人情報入力を省略できるようにしたり、会員ナンバーとパスワード入力すれば、個人情報が自動入力されたりするなどのシステム作りがそれにあたるでしょう。
質の高い接客でポジティブな口コミを増やす
直販率を上げるには、ホテル側が質の高い顧客体験を提供することも重要です。
なぜなら、質の高い顧客体験により、顧客の満足度が高まり、結果として顧客がホテルのリピーターになる可能性が高いからです。
実際顧客がリピーターになると、ホテル独自のポイントが貯まり、簡単に予約できる公式サイトで予約する人は増えるでしょう。
質の高い接客の例として、以下の物があげられます。

  • 礼儀正しく温かな態度でお客様に接する
  • 困っているお客様をきめ細やかにサポートする(例:車椅子を押してあげる。赤ちゃん連れの方の荷物を持ってあげる…etc.)
  • チェックイン前にお客様のリクエストを聞いておく
  • 滞在前と滞在後にメールでやりとりする。
  • お客様一人一人に合わせた接客
  • サンキューノート(礼状)を顧客に送る

より、質の高い顧客体験を提供するには、公式サイトの問い合わせやOTA・SNSの口コミをチェックして、サービスを改善・向上させる必要があるでしょう。
顧客体験の満足度を上げると、ロイヤリティ(顧客の商品やサービスへの愛着)と売上を向上させられます。
なぜなら、ロイヤリティの高いお客様は、OTAやSNS、家族や友人との日常会話で多くの人にホテルのポジティブな口コミを提供するからです。
また、口コミを聞いたり見たりした人がホテルを訪れる可能性が高いため、結果的に売上も増加するでしょう。
実際、Hotels.comが子を持つ男女を対象に行った家族旅行にまつわる調査によると、ホテルの予約の際、口コミを重視する人は63.2%いることが明らかになっています。

広告を利用する

直販率をあげるには、オンライン広告を使用するのも手の1つです。
オンライン広告の例として、検索連動型広告やSNSの有料キャンペーン(例:#○○とつけて投稿すれば○名様に宿泊券プレゼント)があげられます。
ただ、OTAは膨大な広告費を投じている場合が多いため、OTAの広告の方が大きく目を引いているのが実情です。
実際、2019年度agodaやBooking.comなどのOTAを展開しているプライスライングループは約40億ドル、Expediaは約50億ドルもの広告費をGoogleに支払っています。
従って、自社で広告をだす際には、以下の点を意識して広告作りを行う必要があるでしょう。

SEOに基づいた広告作りを行う

SEOとは、顧客の検索結果上位に掲載されるための施策のことを指します。
Googleでは、顧客の役に立つ情報や、欲している情報がすぐに出てくるようなサイトや広告が優先して検索結果に表示されます。
従って、広告を利用して直販率をあげるには、以下のマーケティング手法を用いて、SEOに強い広告作りをすべきでしょう。

  • 検索エンジンマーケティング
  • メタサーチマーケティング
  • ソーシャルメディアマーケティング
  • リマーケティング

Google アナリティクスを利用して戦略を立てる

Google アナリティクスを利用して顧客データを分析すれば、直販予約を増やすための、より有効な戦略が立てられるでしょう。
Google アナリティクスとは、Webサイトの以下の情報を解析するためのツールです。

  • アクセス数
  • どのような経緯でWebサイトにアクセスしたのか
  • Webサイトに滞在した時間
  • 顧客が使用しているデバイスの種類

上記の情報を分析すれば、顧客がより使用しやすい公式サイト作りや、クリックしやすい広告作りが可能でしょう。
また、公式サイトは、顧客にどの位の影響を与えているか、どの層のユーザーが多いのかもチェック可能です。
Google アナリティクスを使用する場合は、決済画面(予約画面)と、宿を予約する決め手となったページを区別して分析する必要があります。
なぜなら、予約の決め手となったページを分析して活用することで、公式サイトにより多くの顧客を誘導できるからです。
ただ、トラフィックのソースを分析する場合、キャンペーンや割引広告経路の予約は、的確なデータとならないため注意しましょう。
ちなみに、宿を予約する決め手となったページは、Google アナリティクス内の「アシストコンバーション」をチェック分析可能です。
また、上記のデータと合わせて、普段使用している旅館管理システムの顧客データ(PMSデータ)を分析すれば、公式サイトやWEB広告の効果を的確に確認できるでしょう。

結果をトラッキング
結果は常にトラッキングしましょう

CRMを導入する

直販率を上げるためには、CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)の導入が必須条件となります。
CRMとは、顧客の情報を集めて分析し、戦略を立てることで新規顧客やリピーターを増やす経営手法のことを指します。
CRMのメリットとして、お客様に合わせたサービスやキャンペーンを提供できることがあげられるでしょう。
また、ホテルでのCRMの導入例として以下の物があげられます。

  • 事前に顧客の食べ物や枕の好みなどを分析して、一人一人の好みに合わせたサービスを提供する
  • ネガティブな口コミに丁寧な謝辞を述べ、サービスを改善する

CRMを導入すれば、顧客がより満足するようなサービスを提供できるため、ホテルのロイヤリティが上がり、結果的に売上や直販率がアップするでしょう。

まとめ

現在OTA経由の予約は、ホテル全体の38.4%を占めています。
しかし、OTA経由の予約は、宿泊代金の6~15%を手数料として支払わなくてはならないため、ホテルにとって大きな負担となってしまいます。
従って、ホテルの利益を増やすためには、直販予約を増やし、手数料を節約することが重要でしょう。
また、直販率をあげるには以下の工夫が必要です。

  • 簡単に素早く予約できるような公式サイト作り
  • 接客の質をあげてポジティブな口コミを増やす
  • SEOに基づいた広告作りを行う
  • Google アナリティクスを利用してサービスや公式サイトの改善を行う
  • CRMを導入する

ホテルの直販率を上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

*この記事はXotelsの協力をもとにWASIMILが翻訳・編集を行ったものです。
オリジナル記事:”How to Achieve 50% Direct Sales for Your Hotel (or more …)”

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