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ホテル運営

ホテル客室稼働率回復に向けて導入すべき7つのオートメーション

Written by:
Sae Watral
January 10, 2024

今回の記事のテーマは「テクノロジー導入による業務のオートメーション(自動化)」です。

コロナ対策に欠かせないのがホテルの衛生管理。しかし、コロナ禍に関わらず衛生管理はホテルにおいて非常に重要です。コロナをきっかけにハイレベルの衛生管理を徹底することで、今後もお客様に快適に利用いただけるホテルとして存在し続けることができます。

この記事では、ホテルが閑散期と言われる苦しい時期を乗り越え、コロナ収束後に可能な限り迅速に売上を立て直すための施策、「7つのオートメーション」について解説していきます。

ホテル システム

1.ホテル予約客にステップメールを自動送信

客室稼働率の回復に向けてホテルが導入するべきオートメーションの1つ目は、「予約ゲストへのステップメール」です。

補足:ステップメールとは
ある特定のアクション(商品購入、申し込み、資料請求)を基点として事前に準備しておいたメールをスケジュールに沿って順次配信するメールマーケティング手法ののこと

ホテルの場合、ゲストが宿泊予約をした際に以下のメールを順次送信するのもステップメールの例となります。

  1. 予約の確認メール
  2. 事前アンケート
  3. ホテル周辺の観光案内
  4. 宿泊のリマインダー

これらのメールを送信する目的は、ゲストの期待値を高めキャンセル率をおさえること。ワクワクするような内容を盛り込んだメールをゲストに送信することで、より宿泊に対するモチベーションを高めてもらう効果が期待できます。

ステップメールの送信は、オートメーション可能な業務の一つ。一人ひとりのゲストにタイミングを見計らって手動送信するとなると、相当な手間がかかりますよね。ステップメールをオートメーションすれば、事前に文章を作成しておくだけで済むため、大幅な業務効率化に繋がります。

コロナ禍の今であれば、『新型コロナ感染拡大防止対策メッセージ』をステップメールに組み込むのも良いでしょう。

例文:

平素より◯◯ホテルをご愛顧いただき誠にありがとうございます。

◯◯ホテルは「□□□□□□□」としてのコンセプトを掲げて今まで営業をして参りました。
世界的に広まっている新型コロナウイルス感染症への対応も、お客様がまるで自宅にいるように安心してご滞在いただけるようこのコンセプトのもとに進めております。

・ホテルスタッフにおきましてマスクを着用させていただくこともございます
・館内各所に消毒液を設置しておりますので、ご自由にお使いください
・エレベーターボタンやフロントカウンター、レストランテーブル椅子などお客様の手に触れる箇所は、定期的にアルコール消毒を行います
・チェックアウト後のお部屋は窓を開けての換気、ドアノブ、リモコンや便座など室内のアルコール消毒などを徹底して行います
・当面の間、ご宿泊のキャンセルは当日でもキャンセル料なしにて承ります

不安な時期でご旅行を自粛や延期をしようと考えている方もおられるかと思いますが、当ホテルはお客様とスタッフの安全と健康を第一に考え、ホテルの扉を開いて皆様のお越しを心からお待ちしております。

2.PMS導入でホテルフロント業務を自動化する

ホテルが導入すべきオートメーションの二つ目はPMSです。

補足:PMSとは
Property Management Systemの頭文字の略。PMSとは、ホテル・旅館の予約から客室管理や請求までを処理する宿泊施設のシステムのことを指します。

PMSはホテルのさまざまなフロント業務を全て一括して管理するシステムで、大規模なホテルはもちろんのこと、近年では小規模ホテルにおいても導入されているメインシステム。

  • 予約・在庫管理
  • 客室の清掃状況の管理
  • チェックイン・チェックアウト業務
  • 清算、領収書や請求書の発行

PMSには上記のフロント業務機能が備わっていることがほとんど。これらを全て手作業で行うとなるとかなりの業務量ですが、PMSはこれらのタスクを自動化し圧倒的な業務効率化を可能にします。

PMSにもいろいろありますが、最大限に活用したいと考える場合、PMSに以下の機能が備わっていると理想的。

  • レベニューマネジメント
  • 顧客情報管理(CRM)https://www.wasimil.com/hotel-crm-marketing
  • データの集計・分析
  • 自社予約システム
  • マーケティング支援
  • サイトコントローラーと連携

特に、データの集計や分析までできるPMSならば、効果的なマーケティング施策を打ち出す際にも役立ちます。ホテルの売上をUPさせるためにも、PMSの入れ替え、新規導入をぜひご検討ください。

業務自動化のメリット

ホテルがPMSを導入し、多くの業務自動化ができた場合のメリットはかなり大きいです。主なメリットとしては以下の4点が挙げられます。

  • 人件費の削減
  • 予約入力ミスなどの人的ミスを防止できる
  • より効率的なマーケティング戦略が立てられる
  • カスタマーサービスの質が向上

限られたスタッフ数で質の高い接客レベルを維持するためにも、オートメーション可能な業務に関しては積極的に自動化していきましょう。

PMS選びのポイントについては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。→『ホテルPMSとは?ホテル運営に欠かせない管理システム

PMS ホテル

3.チェックインを自動化する

3つ目に注目すべきはチェックイン・チェックアウトの自動化です。

コロナ禍で、非対面型チェックインシステムを導入しているホテルが増えています。フロントスタッフと対面することなくチェックイン・チェックアウトの手続きができれば、それだけで感染対策にも大きな効果が得られるでしょう。

チェックイン・チェックアウトの自動化には、これまで莫大な費用を投じて、高額なシステムを購入する必要がありましたが、近年では低コストのシステムが増加傾向にあります。

必要な機能を兼ね備えたシステムが予算内で見つかる可能性も大いにあるので、今一度リサーチし、ぜひ導入を検討されてみることをおすすめします。

チェックイン自動化のメリット

チェックイン・チェックアウトの自動化のメリットは、新型コロナ感染拡大防止だけに限ったものではありません。感染拡大防止以外のメリットは大きく以下の2点。

  • スムーズなチェックイン・チェックアウトでゲストの待ち時間を減らす
  • ホテル側の人件費削減につながる

特に、忙しいビジネスマンにとってチェックイン・チェックアウトの待ち時間はストレスの種。ビジネス利用の多いホテルにおいては、特に自動チェックイン・自動チェックアウトがゲスト満足度UPにつながりやすいのが特徴です。

また、当然のことながらチェックイン・チェックアウトが無人になれば人件費削減にもつながるため、ホテル側にも大きなメリットとなるでしょう。

4.ホテルのカスタマーサービスにチャットボットを導入

4つ目のオートメーションは、チャットボットによるカスタマーサービスの自動化です。

補足:チャットボットとは
チャットボットは「対話(chat)」する「ロボット(bot)」という2つの言葉を組み合わせたもので、お客様と企業をつなぐコミュニケーションツールのことを指します。

BUSINESS INSIDERに掲載された、カスタマーサービスに関する調査結果によると、消費者の45%は「サービスが効果的で正確であり迅速に対応されさえすれば、対応しているのが人間でもチャットボットでも気にしない」と回答しています。

さらに、消費者の59%は「できれば電話以外の方法でカスタマーサービスに連絡したい」と思っていることも明らかになっています。

もっと言うと、消費者全体の33%、ミレニアル世代の52%が「全てのカスタマーサービス対応を自動化された手段を通じて受けたい」と思っているのです。

ホテル側の立場で考えると、お客様対応がチャットボットだと味気ない、冷たい感じがするのではないかとネガティブな印象を抱きがち。ですが統計をみる限りお客様の多くは、「むしろチャットボットで十分だ」と思っていることがわかります。

チャットボットを導入するメリット

チャットボットはお客様側にもホテル側にもメリットをもたらす画期的なシステムです。主なメリットは以下の4点。

  • ゲストはわざわざ問い合わせ電話をすることなく疑問を解消できる
  • ゲストはフロントに立ち寄らずにオンライン上で質問することができる
  • ホテル側の人件費削減につながる
  • 感染拡大防止対策につながる

特に、ミレニアル世代、Z世代といった若い顧客層は、電話よりもLINEなどのメッセージツールを好んで使うのが特徴です。このような顧客層にアピールするのであれば、チャットボットの導入しない手はありません。

5.レベニューマネジメントツールの導入

5つ目として紹介するのが、レベニューマネジメントツールの導入です。

ホテルの収益UP、客室稼働率の回復を目指すためにはレベニューマネジメントが必要不可欠。最も重要であると言っても過言ではありません。

しかし、レベニューマネジメントを適切に行うためには、高いスキルを持った専門のレベニューマネージャーが必要であり、このような人材は常に不足傾向にある上、雇用コストもかかります。

中小規模のホテルでは、一般的に宿泊部のマネージャー、部長などがレベニューマネジメントを兼任しているケースが多いのは雇用コストが高額だからでしょう。

レベニューマネジメントツールを導入することで、収益を最適化するための価格設定・販売管理という難解な業務をも自動化することが可能です。

レベニューマネジメントツール導入のメリット

レベニューマネジメントを勘に頼りながら行うと、ホテル運営の方針がずれてしまうリスクがあるため、とても危険です。確実にホテル客室稼働率をUPさせ、収益を上げるためには「正確なデータ分析に基づき、論理的に考え抜かれた戦略立て」が欠かせません。

ツール導入のメリットは大きく以下の2点。

  • 時間・手間のかかる分析業務を自動化することで業務効率化につながる
  • データ分析の精度が高く、効果的な戦略立てができる

近年では、レベニューマネジメント機能が備わった総合型PMSも販売されています。WASIMILのPMSホテルシステムもその一つ。今後のホテル運営をよりスムーズにしていくためにも、導入を検討していただきたいおすすめのPMSです。

WASIMILのPMSについてはこちらから詳細をご覧いただけます。

いろいろな外部ツールを別々に購入してPMS連携させる方法もありますが、連携させる手間も時間もかかってしまいます。ホテル運営に役立つ機能を多数搭載したPMSを使うことで、結果的に操作がしやすくコストも抑えられるため、ぜひ検討されてみてくださいね。

レベニュー マネジメント ホテル

6.ホテル宿泊中のゲストへアンケートを自動送信

6つ目に紹介するのが、宿泊中のゲストへのアンケート自動送信です。

お客様アンケートは、多くのホテルが何らかの形で使用しているもの。貴重なお客様の生の意見をそのまま知ることができ、改善点を見つけやすくなるのがメリットです。

アンケートを送信する部分の業務は自動化が可能。滞在中のお客様に向けてメールでアンケートを自動送信することで、業務効率化を図ることが可能です。

宿泊ゲスト向けのアンケートは、滞在後にお願いするものでは?と思う方も多いかもしれませんが、実際のところ宿泊中でもなんら問題はありません。

むしろ、滞在中にアンケート内にネガティブな意見を見つけた場合、チェックアウトまでの間にリカバリーできる可能性が残っている点は、滞在中のアンケート送信ならでは。滞在後の場合はもはやお詫び以外にできることはありません。

Web上での口コミは、ホテルのイメージに大きく影響します。

そのため、できるだけ滞在中に問題を解決し、宿泊後のネガティブな口コミを減らすことが重要です。

お客様側も、滞在中のアンケートに対して不快な気持ちになることはあまりありません。「ホテルが自分を満足させようと頑張ってくれているんだな」と良い印象にも繋がりやすくなります。

7.メールマーケティングのハイパー・パーソナライゼーション

最後に紹介するのは、メールを使用したマーケティングのパーソナライゼーションです。

マーケティングにおけるパーソナライゼーションとは、個人にふさわしい内容で訴求ポイントをアピールすること。誰にでも刺さる売り文句は存在しますが、やはり「この点は私にとってすごく魅力的だな」と思わせることが非常に重要です。

パーソナライズされた広告の身近な例を挙げると、

  • オンラインショッピングの広告
  • Netflixのメルマガ

などがわかりやすいですね。ショッピングの広告なら、これまでに検索してあれこれ調べていたものに関連する商品やサービスの広告、Netflixなら、これまでに視聴していた海外ドラマによく似たドラマの広告などはパーソナライズされた広告の良い例です。

パーソナライズされたキャンペーンの方が、一斉送信された関連性の低いキャンペーンより、エンゲージメントが高いというのはもはや常識。

同じブランドでも、消費者によって表示される広告が違うことがあるのをご存じでしょうか。

例を挙げると、より高額な買い物をした履歴のある顧客に対しては、Facebook、Instagram、メール、あるいはブランドのウェブサイト自体に表示される広告が、より高価な商品になっています。

パーソナライズされた広告は今や常識。ホテルが目指すべきはさらにその上をいく、ハイパー・パーソナライズされたメールマーケティングです。

WASIMILのマーケティング機能を活用すると、以下のようなハイレベルなパーソナライズが可能になります。

一般的な顧客のセグメントの場合

  • 年齢
  • 性別
  • 国籍
  • 誕生日

などの情報で顧客をグループ分け(セグメント)します。

さらに、WASIMILの機能を活用することで、

  • ファーストネーム(名前)
  • ラストネーム(名字)
  • 居住国
  • 都道府県
  • 前回宿泊した月
  • 前回宿泊した年
  • 宿泊回数

などのタグで顧客をさらに細かく分析し分類した上で、ハイパー・パーソナライズされたメールの自動送信が可能になります。

ハイパー・パーソナライズされた文章を含んだ宿泊パッケージの告知の例を挙げておきましょう。

“こんにちは、(フルネーム)様。

いつも◯◯ホテルをご愛顧いただき、ありがとうございます。

すでに(宿泊回数)ご宿泊いただいておりますが、また◯◯様を当ホテルでお迎えできたらと思い、◯◯様への特別宿泊パッケージをご用意いたしました。

(前回宿泊した月)からお目にかかっておりませんが、また(都道府県)から起こしいただけるのをスタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。”

このようなメールなら、一斉送信されたありがちなメールとは比較にならないほど顧客の心に刺さります。ゲストは「私のことを知ってくれている、私のことを待ってくれている」と感じ、そのホテルに対して「また機会があればぜひこのホテルに宿泊しよう」と思うようになるのです。

まとめ

今回は、ホテルの客室稼働率回復に向けて、導入するべき7つのオートメーション(自動化)について紹介しました。

コロナ禍をきっかけに、さまざまな分野でテクノロジーの導入が進んでいます。今回紹介したようなホテル業務のオートメーションも、コロナ終息後には『ニューノーマル』になっていることが予想されます。

コロナ禍はホテル業界に致命的なダメージを与えました。しかし、この困難があったからこそ、新しい施策を考えるきっかけが得られるなど、メリットもゼロではありません。

困難な時期を乗り切り、ホテルの客室稼働率をできるだけスムーズに回復できるよう、今から準備を始めてみませんか?

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