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サステナブルな宿泊施設へ!ホテル・旅館のグランピングによる集客アイディア

Written by:
Sae Watral
May 23, 2024

ホテル・旅館にグランピングを併設して、サステナブルな宿の集客アイディアとして活用してみませんか?
グランピングは、テントやキャビンなどの宿泊施設が快適に整備されており、ベッドや暖房、冷暖房設備などが備えられているため、快適にアウトドアが楽しめることから、人気・知名度が急上昇しています。
実際に、全国グランピング協会によると、グランピングを謳う宿泊施設の数は全国で350カ所以上にまで増加。
第2回「事業再構築補助金」の採択結果でも、90者以上のグランピング事業が採択されています。
そのなかでも、旅館や温泉宿などの宿泊施設が、高付加価値としてグランピング施設を併設するというケースが多く見られました。
そこでこの記事では、ホテル・旅館がグランピングを併設するメリットや、閑散期対策、集客アイディアなどを解説していきます。

グランピングとは

グランピングとは、グラマラス(魅惑的な)とキャンピングをかけ合わせて作られた造語で、ひとことで言うなら、「ホテルとキャンプの良い所どり」な体験型ツーリズムです。
グランピングは、キャンプとは異なり、自分でテントを設営したり、食事の準備などが不要。手ぶらで気軽に自然体験ができるのが魅力です。
また最近では、よりラグジュアリーなグランピングテントや、冷暖房完備でより快適さをアピールし、差別化を図る施設が増えてきました。

グランピング市場の実態と動向

グランピングが日本に普及し始めたのは2015年頃ですが、コロナ禍をきっかけに、人々のグランピングへの関心は一層の高まりを見せています。
トラベルズー・ジャパン株式会社が会員向けに実施したアンケートによると、81.6%がグランピングを知っていると回答。
楽天インサイト社が2019年に行った調査では45.5%だったので、この2年ほどでグランピングの認知度が急上昇したことがわかります。
しかし同時に、トラベルズー・ジャパン株式会社のアンケートで、実際にグランピングを体験したことがあると回答したのは、わずか15%未満です。
つまり、まだまだ需要が見込まれる市場だといえますよね。
実際に、株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、グランピングの市場規模は、2021年から2028年にかけて年平均成長率(CAGR)14.1%で拡大すると予測されています。

ホテルマーケティングのためのグランピング

ホテル・旅館がグランピングで集客をするメリット

では、グランピング施設ではなく、ホテル・旅館がグランピングで集客をするメリットを見てみましょう。

【ホテル・旅館がグランピングを始めるメリット】

  1. サステナブルな宿泊体験の提供
  2. 初期費用が抑えられる
  3. ホテルの資源を活用できる
  4. 競合との差別化になる
  5. 新たな顧客層にアピール
  6. ホテルの収益増加

それぞれ少しずつ補足していきますね。

サステナブルな宿泊体験の提供

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの1つめは、お客様にサステナブルな宿泊体験を提供できることです。
「サステナブルツーリズム」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
サステナブルツーリズムは、世界中のホテル・観光業界では、注目する重要キーワードで、国内においても82%の日本の旅行者が、今後、サステナブルな旅行を優先したい意向を示しています。(Booking.comの調査結果より)
サステナブルツーリズムとは、観光地本来の姿を持続的に保つこと。観光地の自然や文化、伝統を楽しみながら、住民の暮らしも豊かにしようという観光スタイルです。
人混みを避けた観光地で、

  • 自然体験やエコツアー
  • クラフト体験
  • 農業体験
  • 地元で栽培された農作物を使った料理

などが満喫できるグランピングは、サステナブルな宿泊体験を求めるお客様への選択肢としてアピールすることができるでしょう。
サステナブルなホテル経営・集客アイディアについては、こちらの記事をどうぞ

初期費用が抑えられる

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの2つめは、導入にかかる初期費用が抑えられることです。
宿泊施設に大浴場・温泉などの施設がある場合は、設備費用が大幅に削減できます。
また、チェックイン・チェックアウト、清掃、料理などのオペレーションを既存のスタッフでこなせるため、人件費が抑えられるというのも大きなメリットです。
さらにコストに関連して、グランピング事業は、事業再構築補助金の採択事例が多いというのも見逃せないポイントでしょう。

ホテルの資源を活用できる

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの3つめは、ホテルの資源を活かせることです。
例えば、温泉やサウナ、スパ施設などは、大きなアピールポイントになります。
その他、自慢の料理や、旅館やホテルの経営ノウハウやサービスも、一般的なグランピング施設との差別化に役立ちます。

ホテルの集客アイデアとしてのサウナ

競合との差別化になる

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの4つめは、競合の宿泊施設との差別化になることです。
特に最近では、近場で非日常が楽しめるステイケーションの人気が高まっています。
ホテル・旅館のグランピングプランは、このトレンドにも対応した集客アイディアといえるでしょう。

新たな顧客層にアピール

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの5つめは、新たな顧客層の獲得です。
グランピングへの関心が特に高いといわれるミレニアル世代・Z世代はもちろん、コンセプト次第ではファミリー客やペット同伴客、高齢者層、富裕層など、さまざまな顧客層をターゲットにすることができます。

ホテルの収益増加

ホテル・旅館がグランピングを集客に活用するメリットの6つめは、収益の増加です。
グランピングには、お料理やアクティビティなど、オプション販売が可能なサービスが多いので、アップセル・クロスセルによる収益増加が期待できます。

ホテル・旅館併設のグランピングに求められるものとは?

全国に350以上もあるグランピング施設の中で、あなたのホテル・旅館のグランピングプランが選ばれるためには、どのような要素が強みになるのでしょうか?
次の6つのポイント別に見ていきましょう。

  1. 料金設定
  2. 料理
  3. アメニティ
  4. 快適さ
  5. 温泉・スパ施設へのアクセス
  6. サービス

1.料金設定

ホテル・旅館のグランピングプランの料金設定は、低価格で競うよりも、付加価値をつけて、顧客満足度を高めるのがおすすめです。
一般的に、グランピングの宿泊費用は、料理などの準備が不要な分、キャンプやホテルより割高に設定されています。
トラベルズー・ジャパン株式会社のアンケート結果の中でも、グランピングのデメリットとして最も多く挙げられているのが宿泊費でした。
同アンケートで、グランピングの理想の予算の1位は、10,000円以下(33.5%)となっていますが、2位の15,000円以下(27.9%)、3位の20,000円以下(19.5%)が高い支持を受けているのも見逃せない点です。
例えば、名湯百選にも選ばれる老舗旅館・下部ホテルのように、1日1組限定の贅沢なグランピングプランで成功している事例も珍しくありません。

2.料理

ホテル・旅館併設のグランピングでは、本格的なコース料理を提供するプランも多く見られます。
グランピングの料理といえばBBQが定番ですが、厳選された食材を使用したり、ホテル・旅館の自慢のコース料理などのオプションを提供してみてはいかがでしょうか。

3.アメニティ

グランピングの最大の魅力のひとつは、手ぶらで行ける手軽さです。
アメニティが充実していることも、ホテル・旅館併設のグランピングならではといえます。
ただし、よりサステナブルな宿泊体験を求めるお客様に向けて、あえて歯ブラシなどのアメニティをリクエストベースにするのもおすすめです。

4.快適さ

最近は、「ホテル並みの快適さ」を売りにするグランピング施設も増えてきました。
エアコン完備など、本家のホテル・旅館の快適さをアピールしましょう。
ホテル・旅館のグランピングプランの中には、客室のテラスにテントを設置して、グランピング体験と快適さを両立させている事例もあります。
これなら、小さなお子さん連れのファミリー客でも安心して利用できますよね。

ホテル マーケティング 戦略

5.温泉・スパ施設へのアクセス

グランピングをインターネットで検索すると、露天風呂、温泉付きというキーワードがサジェストされます。
それだけ、露天風呂/温泉付きグランピング施設の需要があるということです。
温泉やスパ、サウナ施設のあるホテル・旅館は、この強みをアピールしない手はありません。

6.サービス

最後に、ホテル・旅館の接客のクオリティの高さは、最強の武器です。
不自由を楽しむキャンプとは違い、グランピングでは、贅沢な非日常体験が期待されています。
PMSのメモ機能を活用してスタッフ間で顧客情報を共有し、パーソナライズされたサービスの提供を心がけましょう。

グランピングの閑散期対策

グランピングの予約は、週末や長期休暇中に集中するため、平日は閑散期となります。

いかに平日の集客ができるかどうかが、ホテル・旅館のグランピングで収益を上げる重要な鍵といっても過言ではないでしょう。

ターゲット顧客層

平日のグランピング集客のターゲット例としては、下記のような属性がが考えられます。

  • 子どもがいない20代〜30代の女性のグループ
  • 未就学の子どもがいる母親
  • 海外からの観光客

特に海外からの観光客の場合は、連泊が一般的ですよね。
そのため、インバウンド対策に力をいれることは、自然と平日集客につながっていきます。

平日の集客アイディア

上記の顧客セグメントをターゲットにした場合の集客アイディアには、下記のようなものがあります。

  • 平日利用にだけお得な特典をつける
  • 平日利用にのみグループ割引を提供
  • 平日の日帰りプラン
  • ◯泊すると1泊無料などの連泊割引プラン

ただ宿泊費を安くするよりも、付加価値を提供してお得感を出し、顧客満足度をアップさせる施策がおすすめです。

ホテル・旅館の強みを活かしたグランピング集客アイディア

ホテル・旅館が実施している、グランピングプランの事例をいくつかご紹介します。

  • フレンチディナーコース・懐石料理付きプラン
  • 温泉・サウナへのアクセス
  • 1日◯組限定の特別プラン
  • 客室のテラスにグランピング施設を併設(小さな子供のいる家族向け)
  • 日中はグランピング、夜は客室に宿泊するお試しグランピングプラン
  • ペット同伴化の部屋として販売
  • 海外旅行の代わりに豪華な卒業旅行プラン

あなたの宿泊施設の強みや立地を活かした宿泊プランを検討してみましょう。

グランピングでホテル集客のアイデア

ホテル・旅館グランピングの効果的な集客方法

ホテル・旅館が効果的にグランピング集客をするためには、適切なマーケティングツールの活用が必要不可欠です。
ここでは、グランピングの集客に役立つマーケティングツールや施策のヒントをご紹介します。

ターゲティングにはCRMを活用

適切な顧客にキャンペーンメールを配信するためには、CRMのセグメント機能を活用しましょう。
例えば、学校に通う子どものいる顧客に平日のプロモーションプランを提案しても、メールを開封してもらえる可能性は低くなりますよね。
全員に同じメールを送り続けると、せっかくのキャンペーンメールが迷惑メールだと見なされてしまうかもしれません。
年齢や性別、居住エリアなどの属性でターゲットを絞り、顧客がより関心を持ちそうな情報を配信することが重要です。
ホテルシステムWASIMILのCRMは、25種類以上の基準で顧客リストがフィルタリング可能なため、より細かなターゲティングが実現できます。

WASIMILのデータクレンジング機能

CRMをホテルマーケティングに活用する際、顧客データの健全性にも注目しましょう。
入力ミスや表記のの揺れ、無効なメールアドレス、重複データといった「データの汚れ」は、マーケティング施策に悪影響を及ぼす可能性があります。
その対策となるのがデータクレンジングですが、手動でのデータクレンジングは非効率的です。また、人的ミスを完全に防ぐこともできません。
データクレンジングは、自動化するのがおすすめです。
例えばWSIMILのデータクレンジング機能では、下記のような項目が自動的に修正されます。

  • 購読解除された連絡先の無効化
  • バウンスされた連絡先の無効化
  • メールアドレスの検証
  • 性別識別
  • 一般的なデータクレンジング

データクレンジングの重要性について詳しくは、こちらの記事で説明しています

追加サービス機能

またWASIMILの自社予約システムの追加サービス機能を使えば、料理やアクティビティ、アメニティなど、グランピングに関するオプションサービスの販売・管理が可能になります。
グランピングは、アップセリング・クロスセリングがしやすい宿泊プランなので、積極的に活用して収益アップを図りたいですね。

パーソナライズされたEメールマーケティング

パーソナライズされたEメールは、そうでないEメールと比べて開封率が高いというのは、すでに常識になっています。
WASIMILなら、マージタグで簡単にEメールをカスタマイズ。ホテル向けのメールテンプレートも豊富にあり、ドラッグ&ドロップの簡単操作で、魅力的なキャンペーンメールがすぐに作成できます。
さらに、WASIMILのクーポン発行・管理機能を活用すれば、Eメールマーケティングにより特別感がプラスできるでしょう。

パーソナライズされたホテルのメールマーケティング

インスタグラムで視覚にアピール

ホテル・旅館のグランピング集客には、SNSの活用が効果的です。
イギリスの家具メーカーKnightsbridgeがミレニアル世代に実施した調査でも、ミレニアル世代の73%がホテルを予約する前にホテルのSNSをチェックする、83%がSNSでフォローしている人の画像を見てホテルを予約したことがあると回答しており、SNSマーケティングの重要性がわかります。
特に視覚的に訴えるインスタグラムは、グランピングプランの魅力を伝えるのにぴったりです。
グランピング施設やお料理、アクティビティなど、お客様自身があなたのホテルでグランピングを楽しむ風景が目に浮かぶような写真・動画を投稿しましょう。
また、日中と夜の写真を投稿して、雰囲気の違いを紹介するのもおすすめです。
インスタグラムを集客に活用する際は、検索されやすいようにハッシュタグを付けるのを忘れずに。

ゲストとのコミュニケーションでキャンセルを防止

グランピング宿泊予約のキャンセルを防止するためには、ホテルとお客様とのコミュニケーションの確立が大切です。
グランピングは、キャンプとは異なり、雨でも楽しめる宿泊スタイルです。
とはいえ、天候次第で難しくなるアクティビティなどもあり、お客様が不安になって予約をキャンセルする可能性もありますよね。
天候の変更などの際に、お客様がホテルに気軽に連絡が取れるよう、EメールやSNS等のコミュニケーションチャネルを明示しておきましょう。

マーケティングオートメーション(MA)の活用

そしてお客様の宿泊への期待値をキープするためには、予約後〜宿泊当日まで、アクティビティ情報、地域の観光情報、雨の日ならではのグランピングの楽しみ方などなどのEメールを配信しましょう。
このような作業を毎回行うのは面倒に思えますが、マーケティングオートメーション(MA)で、自動化してしまえば簡単です。

まとめ

今回は、ホテル・旅館のグランピング集客についてお伝えしてきました。
グランピングは、収益増加だけでなく、サステナブルな宿泊施設を目指すホテル・旅館にとっても、注目したい集客アイディアといえます。
今後も需要は伸びていきそうですが、同時に、グランピング施設の数も増えています。
ホテル・旅館ならではの強みを活かしたサービスや付加価値、戦略的なマーケティング施策で、強豪との差別化を目指しましょう。


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